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当店の石臼挽きうどんは江戸時代のうどんを再現しています。その絡みで最近は江戸時代の文化や風俗について色々と調査中。
調べてみると江戸時代って本当に面白いですね。戦国時代が終わり、天下泰平の世になったのでそれまでとは違った文化がたくさん生まれています。
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特に版画技術の発達や寺子屋による識字率の向上で読み物がどんどん増えていく時代。葛飾北斎や歌川広重など世界的に有名な浮世絵師もこの時代に活躍しています。
そんな中で発見したのが『うどんそば 化物大江山』に出てくる「うどん童子」。作者は恋川春町(こいかわ はるまち)で黄表紙というジャンルを確立した戯作者兼浮世絵師です。
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まさか江戸時代にうどんがキャラクター化されているとは夢にも思いませんでした。なんでも漫画にするのは今も昔も変わらないってことなんですかね。
『うどんそば 化物大江山』はちゃんとストーリーもあって、元ネタは能の演目にもある『大江山の鬼退治』。それを思いっきりパロディにしちゃってます。こういうとこが江戸っ子の粋ですよね。
要約すると蕎麦に使う食材達がうどん童子なる敵を打ち倒す、という非常にシンプルな冒険譚で、他のキャラクターも面白い。碓井の大根、坂田のとうがらし、卜部のかつお節などなど、やりたい放題です。
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上記画像で寝転がっているのが「うどん童子」。頭から麺が飛び出てますし、右肩に温飩(うどん)って書いてありますね。
ちなみに下記が現在のうどん協同組合公認のうどんキャラ「うどん脳」です。
見比べていて気付いたのですが、どちらのキャラクターも頭の中にうどんがある…。
まさか300年の時を超えてキャラが被るなんてことがあるんですね。ここ最近で一番衝撃的な出来事でした。
今後もちょいちょいうどんや江戸時代に関する話題を取り上げていきたいと思います!