しゅはり瓦版

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2017/11/16

当店のパンフレットが完成しました

HPの刷新と合わせてこっそりと進めていたパンフレット製作。とうとう完成しました!

 

こういった物販用の製作物を作るのは全くの初めてでした。全くの手探り状態から始めて、知り合いにデザイナーさんを紹介してもらったり、見積もりを何社も頂いたりと色々な人に苦労をかけたと思います。仕様にも地味にこだわりがあるので、振り返るとあーだ、こーだ言っていたような…。

 

予算が限られていたので、費用を抑えるために文章は自分で考えましたが、これは本当に良い経験でした。石臼挽きうどんに込めた「お客様に本当に伝えたいこと」を文章にすること…これがなかなか難しい。「なぜ自分はこのうどんを作っているのか」、「なぜ石臼挽き粉を使用しているのか」、「もっとお客様に分かり易く伝えられるメッセージはないのか」。漠然と思っていたことを自分に問いかけて、その輪郭をつかむために何度も何度も推敲を重ねました。

 

そこで見えてきたのが、「江戸時代のうどん」と「香り豊かなうどん」という二つのキーワード。そもそも「石臼挽きうどんって何?」っていう問いに対して、「石臼で挽いた粉で作ったうどんです」というのは、なんとなくカッコ悪い気がします。読んで字の如く、そりゃそうだろうと、だからなんだと、言いたくなってしまう。もっと誰でもパッとイメージできる言い方ってないのだろうか…。そんな発想で石臼挽きうどんの特徴を調べていくと、江戸時代のうどんに近いということが分かりました。

 

江戸時代はまだまだ製粉技術が発達しておらず、現在主流のローラー式の製粉機は日本でまだ生まれていません。じゃあ何かといえば、当時の主流は石臼挽き。浮世絵にも石臼を挽いている女性が描かれているくらいですから、一般的な家庭にも石臼が置いてあったと思われます。小麦も石臼で挽かれていましたから、当時のうどんはふすま(小麦の皮)が入った全粒粉で、当店のうどんに近い色合いや風味でした。江戸時代の麺と言えば蕎麦だろうと思われがちですが、当初はほとんどがうどん屋だったんですよ。蕎麦屋が増えたのは、当時流行りの脚気(江戸患い)に効くからとか、うどんは関西の食べ物だから江戸ッ子が気にくわなかったから、とか諸説あるそうです。

 

ただ、「江戸時代のうどん」というだけで、石臼挽きうどんの特徴を全てとらえることはできません。やっぱり味についてもちゃんとお客様にお伝えしたい。石臼挽きうどんの一番の特徴を一言で表現すると「香り豊かなうどん」だと思います。一口噛めば、普段食べているうどんとの味の違いに絶対に気づくはずです。鼻をつく小麦独特のちょっと野暮ったい香りと旨み。個人的な意見ですが、白いうどんは「甘く」、石臼挽きうどんは「旨い」と思っています。

 

そんな想いが新しいHPや今回のパンフレットには込められています。うどんばっか作っているとなかなかこういう機会がないので苦しいけど楽しかった。常連さんには、店舗に出ないで何をやっているんだー、と言われていますが、まー、こんなことをやっていますよ。「こんなうどんもあるんだ」っていうのを、より多くの人たちにお伝えしたいな、と思っています。

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